内装パネルを樺細工で

内装パネルを樺細工で

2025年10月31日の秋田魁新報に掲載していただきました。ありがとうございます。

 武家屋敷が並ぶ町並みと桜並木で知られ、「みちのくの小京都」と称される秋田県仙北市角館町に伝わる伝統工芸品「樺細工」。製造販売を手がける冨岡商店は、伝統的な形にとらわれず、新たな視点を加えている。2024年には海外デザイナーと連携し、未利用材を活用した内装パネルを商品化した。

 11年の東日本大震災で、三陸地方の多くの取引先を失ったことを契機に、海外市場にも目を向けてきた。

コロナ禍で海外での活動が制限されたものの、この間に戦略の見直しに動き、海外で重視されていたエコや持可能性といった価値観に着目した。

 商品化した内装パネルには、茶筒などの一般的な樺細工には適さず、倉庫に眠っていた間皮を活用。冨岡浩衛社長(63)は「採取した素材を最後までどう活用するかは大きなテーマだった」と話す。

 親交があったフランス在住のデザイナーから企画提案を受け、質感の異なる素材を組み合わせ、ワイルドな表情が際立つ作品を仕上げた。仙北市内の宿泊施設で活用されている。

 「世代を超えて使い続けることができるところに樺細工の良さがあるーと冨岡社長。樺細工の魅力発信にも引き続き力を入れるつもりだ。

(秋田魁新報社・田村璃子)

ブログに戻る